
相続が開始すると、遺産分割といった話し合いや、それに伴う各種手続きへの対応が必要になります。
こうした複雑なプロセスに、ご自身だけで向き合うことに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
親族間のデリケートなやり取りや、法的な知識が求められる場面で、誰かに代理で対応してもらいたいとお考えになることもあるでしょう。
では、相続の代理人にはどのような人がなれるのでしょうか。
相続の代理人は家族でもなれるか
遺産分割協議は家族が代理人になれる
遺産相続における話し合い、いわゆる遺産分割協議においては、ご家族やご友人といった第三者に代理人を依頼することが可能です。
具体的には、相続人ご本人が作成する「委任状」があれば、ご家族や親しい友人に、ご自身の代わりに遺産分割協議に参加してもらい、話し合いを進めてもらうことができます。
これは、遠方に住んでいたり、感情的な対立を避けたい場合などに有効な手段です。
ただし、遺産分割協議の代理人への依頼は、非弁行為にあたるため、有償での依頼はできません。
あくまで無償での委任となります。
法的場面では弁護士のみが代理人となれる
遺産分割協議がまとまらず、調停や審判といった法的な手続きに進む場合、登場人物となる代理人には制限があります。
原則として、こうした法的な場面で代理人となれるのは弁護士のみです。
ご家族やご友人が代理人として調停期日に同席するには、裁判所の許可が必要となります(家事事件手続法第22条1項)。
この許可は必ず得られるとは限らず、また許可が取り消される可能性もゼロではありません。
そのため、法的な手続きへの移行を見据えるのであれば、初めから弁護士に依頼することが最も確実な方法といえます。
相続で代理人を立てるべき状況はいつか
話し合いがまとまらない時は弁護士を立てる
相続人同士での遺産分割協議が、感情的な対立からまとまらない状況に陥ってしまった場合は、弁護士に代理人を依頼することを検討すべきです。
相続人間だけでの話し合いでは、冷静さを失い、解決が遠のいてしまうケースが少なくありません。
弁護士が間に入ることで、第三者的な立場から冷静な話し合いを促し、法的な観点からの助言や交渉を行うことができます。
もし、話し合いが決裂して調停に進むことになった場合でも、そのまま弁護士に代理人を引き継ぐことができるため、スムーズな解決が期待できます。
相手が弁護士を立てたらこちらも弁護士に依頼する
相続手続きを進める中で、相手方の相続人が弁護士を代理人として立ててきた場合、こちらも弁護士に依頼することが賢明です。
相手方が弁護士を立てるということは、単なる話し合いでの解決にとどまらず、調停や審判といった法的な手続きへ移行する可能性も視野に入れていると考えられます。
専門家である弁護士同士が交渉することで、不当な主張を通されたり、不利な条件で合意を迫られたりするリスクを減らすことができます。
専門的な知識や経験を持つ弁護士に依頼することで、ご自身の権利を守りながら、対等な立場で交渉を進めることが可能になります。

まとめ
遺産相続の話し合い(遺産分割協議)においては、委任状があればご家族やご友人といった身近な方にも代理人を依頼できます。
しかし、遺産分割調停や審判といった法的な手続きに進む場合は、原則として弁護士のみが代理人となることができます。
ご自身で話し合いを進めることが難しいと感じる場合や、相手方が弁護士を立ててきたような状況では、専門家である弁護士に代理人を依頼することが、円滑かつ有利な解決への近道となります。
代理人に弁護士を立てることで、法的な知識に基づいた交渉や、相続手続き全般の代行を任せることができ、相続トラブルによる家族間の関係悪化を防ぐことにも繋がります。
費用面での懸念はあるかもしれませんが、まずは初回無料相談などを活用し、専門家のアドバイスを受けてみることをお勧めします。










